25歳、凪

いわゆる「担降りブログ」というものが好きです。

担降りブログに渦巻くジャニヲタひとりひとりの罪悪の物語の魅力こそが、わたしをジャニーズというジャンルのファンにしてしまったといってもいいほど。


わたしはおたくと名乗ることも厚かましいくらい、たったひとつのものへの強烈な好意を持続させることができない類のファンです。アイドルを好きになってから1年の間にもBerryz工房、関西ジャニーズJr.、ジャニーズWEST、Hey!Say!JUMPと次々に興味の対象を移していました。

ですから裕翔りんを特別に好きと悟り、唯一の人と心に決めたそのときには、けれどもすぐにあこがれの担降りブログを書く機会が訪れるであろうと考えていたのです。おそるべきことに。

しかし実際には、わたしは丸3年もの間それを書けずにいました。強烈な好意のA・RA・SHIはもうとっくに過ぎ去っていて、次の大波に備えていつでも凪いでいるつもりでした。

そういう状態でいるところに昨年末には初めてコンサートのチケットが当たり、そのときのあられもない感情の揺れ動きは先のブログに記録してありますが、とどのつまり中島裕翔りんというアイドルへの祈りは、驚くほどにこれっぽっちも変わらなかったのです。その不変が意味していたのは良く言えば安心、悪く言えば退屈。


その中庸な気持ちにスッとやわらかな刃先を入れてきたのは、裕翔りんより10歳も年下の女の子でした。

笠原桃奈さん。

アンジュルムのことはずっと好きでした。田村芽実さんが卒業してからムラはあったものの、箱推しの心持ちでいました。そんななかでなぜももなを特別に好きになってしまったのかということはここで語りませんが、ドームで舞う裕翔りんの米粒のような生身に目を凝らしたその1週間後に、ショッピングモールで間近に目撃したももなの幸福そのもののような笑顔が、わたしの心臓をグシャリと引ったくってしまったのです。

初めて自担と呼んだのが裕翔りんであるならば、初めて推しと呼ぶのは彼女にしたいと決意したのはついこの頃、今年の春でしょうか。ちょうど裕翔りんには際立った個人のお仕事がありませんでした。ツイッターのプロフィール欄を書き換えたとき、わたしは好きなアイドルに対して残酷にも容赦なく、れっきとした優先順位を決めたのです。誰よりも愛を注ぎたい、最も祈りを捧げたいと思うのはアンジュルムであり、ももな。それならばこれは担降りであり、同時に推し変でもあるのだと。

ほんの数週間前までは、そう思っていました。


先月、Hey!Say!JUMPの新曲のMVとメイキングを見ました。

何度見ても鮮烈なまでの優美な容姿。それでいてかわいらしい曲調にてらいのないところ。激しいダンスを明瞭に舞い続ける体力オバケっぷり。画面内の画面越しでもキラキラと溢れんばかりのアイドルオーラ。トラッドな服装がよくお似合いになるハンサムさ。

担降りブログなんてつらいものを書くには、あまりにも、あまりにも好きすぎる。

裕翔りんへの好意は、もしかするとこれからもずっと同じ調子で、たいていは凪いでいるのかもしれません。それでも、凪の地平線へ燦然と輝く太陽のような美しさに照らされる喜びは、裕翔りんを見ることでしか得られないもので、宇宙一愛おしいももなでも他のどんなアイドルでも得られない唯一のもので、その美しさを感じられる琴線がわたしにあるかぎり、きっと「担降りする」なんて大それた宣言をする決心はつかないのだと、半ば観念したような今日この日であります。


中島裕翔りん、25歳のお誕生日おめでとうございます。

あなたがますます美しく、慕わしくなりなさることを、いつまでも祝福のもとに幸せでいらっしゃることを、お祈り申し上げます。