笠原桃奈さんのあんまり好きじゃないところ三つ

一に、音楽をたくさん知っているところ。
J-POPからK-POPからジャズからクラシックまで、普段聴いている楽曲をこまめにブログで紹介してくれる。そのたびに笠原桃奈さんの音楽への態度がいかに純真で誠実であり、自分の音楽への態度がいかによこしまで不純であるか思い知らされる。
オタクなのだから笠原桃奈さんのすきなものは知っておきたいのにまるで追いつけないので、わたしの知らない笠原桃奈さんが増えるばかりで切なくなってしまう。まあ元よりオタクというものはアイドルについて何も知らない生き物なのであるが。

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ところでオタクとは非常にゲンキンな生き物でもあるので、笠原桃奈さんがキリンジの「エイリアンズ」について書いてくれたときだけは嬉しくて泣いちゃったのであった。

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ちなみにこれは「最近私はジャズが好き。あなたは何が好き?」と笠原桃奈さんに訊ねられそこはかとなく緊張してしまうアイキャッチ

 

二に、どんなときも他人を慮るところ。
今年の2月に笠原桃奈さんのところへやってきたコザクラインコのボーロは、笠原桃奈さんのおペット様として完璧な存在だった。そのやわらかなピンク色と黄色の羽に覆われたすがたはまさに桃のような色あいで、笠原桃奈さんとじゃれあっているようすは桃源郷ともいうべき美しさだった。

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ボーロとの別れについて書かれたブログ。

こんなにあっさり、文字にしてしまえるほど、私の気持ちは全部語れないけど…
それでも、皆さんには知ってもらわなきゃいけないと思ったので、なるべく全力で今の気持ちを文字に起こしています

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そして明言はされていないけれども、おそらく「その日」に書かれたであろうブログ。

一番近くにあるものを、
何より大切にしていきたいと思います。
自分よりずっとみんなにずっとずっと幸せでいて欲しいです。
みんなずっと元気に楽しく健康でいて欲しい

そうやって不幸の只中にあってすら周囲の幸福を願い、あまつさえ愛しい家族の生命とは何ら関係のないオタクたちと悲しみを分かち合おうとする。そんな笠原桃奈さんの優しさにいちいち救われておきながら、何よりもまず笠原桃奈さん自身のこころのことを一番に考えてほしいと願ってしまう。

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新しい家族・ポムの存在をすぐには公表しなかったことも、何のためでもなくオタクたちへの気遣いゆえなのであろうと想像し、己の無力さに打ちひしがれることしかできない。

  

三に、いつも言葉を尽くしてくれるところ。

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笠原桃奈さんは加入以来ずっと自己肯定という課題と対峙しもがき続けてきた人ですが、その葛藤の行き先の多様さを示してくれていたアンジュルムお姉さんたちが次々に卒業していくなかで、恐らく解のひとつを得ようとしているのだと思う。

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すなわち、自分の言葉には得体の知れない(しかし自明の)特別なちからがあるのだということを、笠原桃奈さん自身が真正面から受け止めてその才能と向き合いはじめているようなのだ。

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そのノブレス・オブリージュといってもいい振舞いは和田彩花さんから大いに影響を受けたであろうことは想像に難くないが、単なるポーズではなく笠原桃奈さんの内から湧き出てきた言葉として我々に届くのは、他でもなく笠原桃奈さん自身のその才能があってこそ。
この高潔な覚悟から発せられる言葉たちを漫然と浴びながら、陰気で孤独で姑息なオタクことわたしはアイドルからは決して見えないところから一方的にアイドルを見つめていたいのであるが、最近の笠原桃奈さんときたらそんなことはおかまいなしに、つぶさに言葉のまなざしを返そうとしてくれる。その光のまぶしさに目が焼けてしまいそうになるから、後生だからどうかこちらを見てくれるなと願いつつ失明を恐れる今日この頃。

 

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もう17歳、まだ17歳。その道行の無限の可能性を前にして我々はただ途方に暮れることしかできないのだが、きっと笠原桃奈さんはこれからも空を駆ける鳥のように、どんなに遠くとも地上から目の届く場所にいて我々を手招いてくれるのだと思う。

卑屈なあまり彼女の美点を「あんまり好きじゃないところ」などと言い立てることしか能のないわたしにできることはといえば、笠原桃奈さんが広大な世界で勇敢に羽ばたくことを妨げないよう、粛々と細々と笠原桃奈さんへの祈りを捧げ続けることのみなのである。

 

笠原桃奈さん、17歳のお誕生日おめでとうございます。

あんまり好きじゃないところも含めて、あなたのすべてが好きです。

今日のこの日にあなたを宇宙でいちばん好きであるということ、なによりも誇らしく幸福に思います。