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笠原桃奈さん、16歳のお誕生日おめでとうございます。

あっというまの濃密な、15歳の一年間。ちょっと思い返すだけで気が遠くなるほど、多くのできごとがありました。

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笠原桃奈さんが15歳になってすぐ、『タデ食う虫もLike it!/46億年LOVE』のリリースと、電光石火ツアーのホール公演がありました。

『46億年LOVE』は、和田彩花さんが作り上げたアンジュルムを象徴する曲になりました。いまだにコンサートで『46億年LOVE』のコールをやっていると、ああ生きているなあ、という気持ちで胸がいっぱいになって、ついぼうっとしているうちに曲が終わってしまうのが難点です。笠原桃奈さんのソロパート「伝えられたら…」は、笠原桃奈さんの抱える切実さのようなものがぎゅっと凝縮されていて、いつもたまらない気持ちにさせてくれます。

電光石火ツアーは結果的に10人のアンジュルムの集大成となりましたが、嵐の前の静けさとでもいえばいいのか、研ぎ澄まされたストイックな構成のなかでギラギラと内側から燃え滾る10人の鋭い雷に打たれました。7期の加入が発表される直前のホール公演だったので、既に隙のない10人体制が春にどこまでの完成を見せてくれるのか、とこのときはまだ安全な期待にぬくぬくするばかりでした。

 

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もちろん今となっては、7期がわずかでも和田彩花さんと同じ時間を共有してくれたことに心の底から感謝しています。しかし当時、わたしを含め多くのおたくたちがかねてより願っていた安定した体制の維持、そしてとりわけ年少メンバーの抱いていた10人への夢が、そこで断たれてしまったことに衝撃を受けたのは事実でした。笠原桃奈さんのおたくとしては、笠原桃奈さんが最年少メンバーでなくなることも大きな問題でした。加入以来ずっと最年少メンバーとして、一身にお姉さんたちにの愛を受ける笠原桃奈さんしか見たことがなかったのですから。

けれども笠原桃奈さんの力強く優しく美しい精神は、おたくの弱く小さな精神をたちまち照らしてしまいました。笠原桃奈さんは最年少としての自分にみずから別れを告げ、和田彩花さんという偉大な魔法使いの弟子のひとりとして、「世界中から愛されたい」という願いのために立ち上がりました。そして笠原桃奈さんと同学年の太田遥香さんと伊勢鈴蘭さんが7期としてお披露目された公演で、笠原桃奈さんは「和田さん、わたし、がんばります!」と高らかに宣言してみせました。世界よ、笠原桃奈さんを見て、わたしの愛する女の子、世界から愛されるため今まさに自分の力で飛び立つ15歳の女の子を見て!と、世界(Twitter)に向かって叫ばずにはいられないできごとでした。

こうしてアンジュルムに集った中学3年生トリオは、冬のハロコン中に伊勢鈴蘭さんが誕生日を迎え全員15歳となり、BEYOOOOONDSの西田汐里さん、江口紗耶さんとともに『夢見る 15歳』を披露しました。5人のパフォーマンスはまさにハローの未来を夢見るような逞しさで、しかもそんな5人のセンターとして笠原桃奈さんが君臨したときの高揚といったら!4スマと比較するといささか気取った表情が、この世代は自分が引っ張っていくのだという気概に満ちてすらいるように見えました。

 

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梁川奈々美さんの早すぎる卒業は、多くのハロメンに少なからず影響を与えました。それはもちろん、彼女と研修生時代の同期であった笠原桃奈さんにとっても。常に少し先を歩いていた聡明な梁川奈々美さんの存在がいかに笠原桃奈さんにとって尊敬すべきものであったか、そして、芸能人ではないひとりの人間として生きるという選択肢についても、笠原桃奈さんは怯むことなくまっすぐに言葉にしてくれるのでした。

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そして、中学校卒業。義務教育と芸能活動を両立することがいかに困難か、それに、アンジュルムお姉さんたちの自由闊達な生き様を見て育った笠原桃奈さんにとって、学校という狭い共同体はともすれば窮屈に感じてしまうのだろうか、などとおたくは邪推してしまうものです。しかし笠原桃奈さんは15歳にして、小さなできごとこそが自分にとってかけがえのないものだと、既に気づいてしまっているのですから、驚嘆せずにいられません。

 

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笠原桃奈さんが高校生になった4月、和田彩花さんのラストシングル『恋はアッチャアッチャ/夢見た 15歳』が発売されました。『恋はアッチャアッチャ』は曲詞ともにすばらしいのですが、とりわけ大サビ前の見せ場パート「踊りたいの!」を歌い上げる笠原桃奈さんのほとばしるような生命力は、筆舌に尽くし難いものです。笠原桃奈さんがこのパートを歌い続ける限り、わたしもずっと笠原桃奈さんと、アンジュルムと一緒にこの世界で踊っていたいと願いながら、ホットピンクのペンライトを高く掲げてしまうのでした。

このころ笠原桃奈さんは突然、髪を顎くらいまでの長さまで切ってしまいました。笠原桃奈さんの長い髪の美しさが大好きだったけれど、おしゃれで大人っぽいボブ桃奈さんのことはもっともっと大好きになりました。しかも、切った髪をヘアドネーションで寄付したというのですから、ますます敬愛を深めずにはいられませんでした。

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輪廻転生ツアーは、ライブハウス、ホール、武道館どれもに足を運びましたが、ツアーを通して笠原桃奈さんは(他のメンバーに較べれば)ほとんど涙を流しませんでした。MCでは常にはっきりと未来への意志を語ってくれました。コンサート中の佇まいにも、明るい輝きのうえに「凄み」のようなものが加わって、アンジュルムの大人っぽい世界観のなかにあっても中枢を担うほどに見えました。そのように精神面でもパフォーマンス面でも背伸びをしていることを自覚しながら、なお自分を高めるべく敢えて背伸びを続けようと、笠原桃奈さんは言うのでした。

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和田彩花さんという人が笠原桃奈さんにとってどれだけ大きな存在であったかは、わたしがここに書くまでもないことです。卒業コンサートの最後のMCで笠原桃奈さんは「和田さんとこれからも一緒に生きていきます」と言いました。その突拍子もなさに笑っているおたくもいましたが、その通りだ、とわたしは思いました。自分の納得する姿でいること、好きな色を身に纏うこと、和田彩花さんの愛を感じること、和田彩花さんを愛すること、それが「一緒に生きる」ということなのです。だからわたしもずっと和田彩花さんと一緒に生きてゆくのだと理解しました。笠原桃奈さんが若干12歳にしてアンジュルムに加入し、和田彩花さんと長い時間を過ごすことができたこと、それをおたくとして同じ時代に目撃することができた奇跡に感謝します。

 

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その公演から1週間後には勝田里奈さんの卒業発表、そしてすぐに8期・橋迫鈴さんの加入発表がありました。勝田里奈さんは加入当初からずっと笠原桃奈さんを「かわいいかわいいもも」とべたべたにかわいがり続けていました。おしゃれで自立した憧れのお姉さんからの褒め言葉や、好きなものを追求し続け遂にはそれを職業とすべく巣立っていった姿は、笠原桃奈さんの「自信」に強く影響したことと思います。笠原桃奈さんは、「大人っぽくなります!」と言いました。それは笠原桃奈さんにとってずっと抱いている目標のひとつですが、その言い方の子供っぽさになんだか安堵してしまったのでした。

勝田さんの卒業から間もなく、中西香菜さんの卒業発表、そしてつい数日前にはカントリー・ガールズの活動休止とともに船木結さんの卒業発表がありました。涙の乾く間もないとはまさに、15歳のお誕生日のときには想像もしていなかった絶え間ない試練。笠原桃奈さんは名実ともにアンジュルムの中堅メンバーとなります。ついこのあいだまでかわいいみんなの妹だったのに、あまりの急速な展開に振り落とされないようしがみつくだけで必死なおたくですが、笠原桃奈さんはもうとっくにその準備を始めているらしいのです。

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笠原桃奈さんが15歳最後のブログの主題に選んだのは、「自分を愛する」ことについてでした。かつて笠原桃奈さんは自信のなさやコンプレックスについて頻繁に言及していたものの、最近は克服しつつあるのかと推察していましたが、ほんとうは今まさに戦っている最中なのでした。好きな音楽をたくさん紹介してくれるようになったのも(個人的にはキリンジを聴いているという記述に浮かれ騒ぎましたが)、写真や服装について書いてくれることが多くなったのも、その戦いの一環だったのだと知り、打ち震えました。お姉さんたちからの愛のうえに、自分自身の愛をも乗せた笠原桃奈さんはきっと、最強です。その戦いを終えたときこそ、笠原桃奈さんは世界中から愛される人になるにちがいありません。

アンジュルムの曲を聴いてる時、アンジュルムのライブを見てる時、そんな時の"自分"を好きになって欲しいです。

笠原桃奈さんは、本人はまだ自覚していないかもしれないのですが、もう立派な一人前の魔法使いになったのだと思います。ちっぽけでつまらないわたしの人生に、何よりも心強いことばの魔法をかけてくれたのですから。アンジュルムを、笠原桃奈さんを好きな自分を愛したい。だって、笠原桃奈さんは最強になるのです。これからも続く数多の困難のなかで、ますます美しく、かわいらしく、逞しく、偉大になってゆく笠原桃奈さんを好きになった自分を、愛するようになってみせます。きっとそれこそが、笠原桃奈さんと一緒に生きるということなのです。

15歳の笠原桃奈さん、宇宙でいちばん大好きでした。

16歳の笠原桃奈さんも、宇宙でいちばん大好きです!